そう結論づけるのはまだ早いかもしれない

統計

少数の法則とは?

「少数の法則」とは、サンプル数 が小さければ小さいほど、それだけ極端な値をとりやすいにも関わらず、そこに大数の法則が当てはまると錯覚し、真に差があると誤解したり、過大評価したりしてしまうことです。
(1971年にノーベル賞経済学者のダニエル・カールマンが提唱したと言われています。)

例えば、「肺がんの発現率について、農村部と都市部を調査したところ、
都市部が農村部の2倍だった。」という調査結果があったとしましょう。

多くの人は、
「なるほど。都市部は排気ガス等で空気が汚い為、肺癌の発現率が高く、
農村部は、空気が綺麗だから、肺癌の発現率が低いのだろう。」
というふうに思うでしょう。

しかし、その推測は、間違っているかもしれません。
というのも、上記の調査結果をもう少し詳しくみてみると、
肺がんの発現率は、「農村部 : 0.3人/100人(総人口 : 1000人)、都市部 : 0.5人/100人(総人口 : 100万人)」でした。
そうすると、農村部でたったの3人が肺がんを発現してしまうと、
「農村部 : 0.6人/100人(総人口 : 1000人)、都市部 : 0.5人/100人(総人口 : 100万人)」となり、
「肺がんの発現率は、農村部が都市部の1.2倍である。」という調査結果になってしまいます。

つまり、「肺がんの発現率について、農村部と都市部を調査したところ、
都市部が農村部の2倍だった。」という調査結果は事実であるものの、
この結果を鵜呑みにしてしまったり、冒頭のように、
「なるほど。都市部は排気ガス等で空気が汚い為、肺癌の発現率が高く、
農村部は、空気が綺麗だから、肺癌の発現率が低いのだろう。」と推測してしまった人は、「少数の法則」に騙されてしまっている可能性があるので、結論づけるにはまだ早い状態ということができるでしょう。

この法則を提唱したダニエル・カールマンは長年の実績がありながらもこの「少数の法則」に騙されてしまったと言っています。
経験を積んだ人であっても騙されてしまうのです。また、経営者や教養の高い人であってもこの法則に騙されてしまったりすることは珍しい話ではありません。
だから、誤った判断を下さないために、私たちも気をつけないといけないのです。

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